平成24年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問1
【問題1】
システム監査における,サンプリング(試査)に関わる用語の説明のうち,適切なものはどれか。
許容誤謬率とは,サンプルの件数を決めるときに用いるものであって,監査人が受け入れることのできる所定の内部統制からの逸脱率である。
サンプリングリスクとは,固有リスクと統制リスクを掛け合わせた結果である。
統計的サンプリングとは,特定の種類の例外取引を全部抽出する方法である。
母集団とは,評価対象から結論を導き出すのに必要なデータ全体のうち,リスクの高いデータの集合である。
【解説】
ア: 許容誤謬率とは,サンプルの件数を決めるときに用いるものであって,監査人が受け入れることのできる所定の内部統制からの逸脱率である。
正しい。許容誤謬率(Tolerable Error Rate)は,監査において,監査人が許容できる誤謬(エラー)の割合を指し,サンプリングの規模を決定する際に考慮されます。
イ: サンプリングリスクとは,固有リスクと統制リスクを掛け合わせた結果である。
誤り。サンプリングリスク(Sampling Risk)は,抽出したサンプルが母集団全体を正しく反映していないために誤った結論を導くリスクを指します。固有リスクや統制リスクと直接的な関係はありません。
ウ: 統計的サンプリングとは,特定の種類の例外取引を全部抽出する方法である。
誤り。統計的サンプリング(Statistical Sampling)は,確率論に基づいてサンプルを選択する方法であり,特定の種類の取引をすべて抽出することではありません。
エ: 母集団とは,評価対象から結論を導き出すのに必要なデータ全体のうち,リスクの高いデータの集合である。
誤り。母集団(Population)とは,監査対象となるすべてのデータの集合を指し,リスクの高いデータのみを指すわけではありません。
【答え】
ア: 許容誤謬率とは,サンプルの件数を決めるときに用いるものであって,監査人が受け入れることのできる所定の内部統制からの逸脱率である。
出典:平成24年度 春期 システム監査技術者試験 午前II 問1