平成25年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問1
【問題1】
システム監査技法である ITF(Integrated Test Facility)法の説明はどれか。
監査機能をもったモジュールを監査対象プログラムに組み込んで実環境下で実行し,抽出条件に合った例外データ,異常データなどを収集し,監査対象プログラムの処理の正確性を検証する方法である。
監査対象ファイルにシステム監査人用の口座を設け,実稼働中にテストデータを入力し,その結果をあらかじめ用意した正しい結果と照合して,監査対象プログラムの処理の正確性を検証する方法である。
システム監査人が準備した監査用プログラムと監査対象プログラムに同一のデータを入力し,両者の実行結果を比較することによって,監査対象プログラムの処理の正確性を検証する方法である。
プログラムの検証したい部分を通過したときの状態を出力し,それらのデータを基に監査対象プログラムの処理の正確性を検証する方法である。
【解説】
ア: 監査機能をもったモジュールを監査対象プログラムに組み込んで実環境下で実行し,抽出条件に合った例外データ,異常データなどを収集し,監査対象プログラムの処理の正確性を検証する方法である。
誤り。これはスナップショット法の説明です。スナップショット法は、システム内の特定の時点のデータを監査目的で取得し、処理の正確性を検証する手法です。
イ: 監査対象ファイルにシステム監査人用の口座を設け,実稼働中にテストデータを入力し,その結果をあらかじめ用意した正しい結果と照合して,監査対象プログラムの処理の正確性を検証する方法である。
正しい。これは ITF(Integrated Test Facility)法の説明です。ITF 法は、監査対象のシステムにテストデータを組み込んで実運用環境で処理し、実際の処理結果と期待値を比較することで正確性を検証します。
ウ: システム監査人が準備した監査用プログラムと監査対象プログラムに同一のデータを入力し,両者の実行結果を比較することによって,監査対象プログラムの処理の正確性を検証する方法である。
誤り。これは並行シミュレーション法の説明です。並行シミュレーション法では、監査対象プログラムと独立した監査プログラムを使用して、同じデータを処理し、結果を比較します。
エ: プログラムの検証したい部分を通過したときの状態を出力し,それらのデータを基に監査対象プログラムの処理の正確性を検証する方法である。
誤り。これはトランザクションウォークスルー法の説明です。トランザクションウォークスルー法では、処理の流れを追跡しながら監査対象プログラムの正確性を検証します。
【答え】
イ: 監査対象ファイルにシステム監査人用の口座を設け,実稼働中にテストデータを入力し,その結果をあらかじめ用意した正しい結果と照合して,監査対象プログラムの処理の正確性を検証する方法である。
出典:平成25年度 春期 システム監査技術者試験 午前II 問1