平成25年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問3 2025年6月25日
【問題3】
A 社のシステム開発課長の指揮監督下で B 社のプログラマが開発業務を担当する状況において,監査報告書に記載された指摘事項として,適切なものはどれか。
ア
B 社が一般労働者派遣事業の許可を得ていない場合,派遣契約はできないので,指揮命令系統は変えずに請負契約に改める必要がある。
イ
請負契約であり,B 社に対してはコーディング業務に限定して発注する必要がある。
ウ
請負契約であり,著作権の帰属があいまいになるので,法人著作である旨と著作者人格権を,A 社の権利として,契約条項に記載する必要がある。
エ
派遣契約であり,B 社のプログラマが A 社の著作権を侵害した場合の措置に関する規定を設けておく必要がある。
【解説】
ア: B 社が一般労働者派遣事業の許可を得ていない場合,派遣契約はできないので,指揮命令系統は変えずに請負契約に改める必要がある。
誤り 。請負契約では、発注者(A 社)が直接 B 社のプログラマに指示することはできません。指揮命令系統を変えずに請負契約にするのは偽装請負に該当する恐れがあります。
イ: 請負契約であり,B 社に対してはコーディング業務に限定して発注する必要がある。
誤り 。請負契約の場合、業務範囲がコーディングに限定されるわけではなく、開発全体を委託することも可能です。しかし、そもそも本問の状況では請負契約よりも派遣契約の方が適切と考えられます。
ウ: 請負契約であり,著作権の帰属があいまいになるので,法人著作である旨と著作者人格権を,A 社の権利として,契約条項に記載する必要がある。
誤り 。本問の状況では「請負契約」ではなく「派遣契約」の可能性が高いため、請負契約における著作権の帰属に関する説明は適切ではありません。
エ: 派遣契約であり,B 社のプログラマが A 社の著作権を侵害した場合の措置に関する規定を設けておく必要がある。
正しい 。派遣契約の場合、派遣された労働者(B 社のプログラマ)が A 社の業務に従事することになります。そのため、著作権の取り扱いや、著作権侵害が発生した場合の措置について明確に規定する必要があります。
【答え】
エ: 派遣契約であり,B 社のプログラマが A 社の著作権を侵害した場合の措置に関する規定を設けておく必要がある。
出典:平成25年度 春期 システム監査技術者試験 午前II 問3