平成25年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問8
【問題8】
システム監査で利用する統計的サンプリング法に関する記述のうち,適切なものはどれか。
サンプルの抽出に無作為抽出法を用い、サンプルの評価結果に基づいて母集団に関する結論を出す場合に、確率論の考え方を用いる。
抽出されるサンプル数は、統計的サンプリングと非統計的サンプリングの選択を決定付ける重要な判断基準である。
抽出するサンプルを統計的に決定する手法ではなく、サンプルに対して評価手続きを実施した結果を統計的に推定する方法である。
無作為抽出法を用いるだけではなく、システム監査人が経験的判断を加味して、サンプルを抽出する。
【解説】
ア: サンプルの抽出に無作為抽出法を用い、サンプルの評価結果に基づいて母集団に関する結論を出す場合に、確率論の考え方を用いる。
正しい。統計的サンプリング法では、無作為抽出を行い、得られたサンプルの評価結果を確率論に基づいて母集団全体へ推定します。この手法により、監査の客観性と正確性が向上します。
イ: 抽出されるサンプル数は、統計的サンプリングと非統計的サンプリングの選択を決定付ける重要な判断基準である。
誤り。統計的サンプリングと非統計的サンプリングの違いは、確率論に基づくか否かであり、単にサンプル数の多寡で決まるものではありません。
ウ: 抽出するサンプルを統計的に決定する手法ではなく、サンプルに対して評価手続きを実施した結果を統計的に推定する方法である。
誤り。統計的サンプリング法は、最初に統計的にサンプルを決定し、確率論に基づいて母集団の特性を推定する手法であり、記述の内容とは一致しません。
エ: 無作為抽出法を用いるだけではなく、システム監査人が経験的判断を加味して、サンプルを抽出する。
誤り。統計的サンプリングは監査人の主観や経験的判断を排除し、確率論に基づいて無作為に抽出することが基本です。このため、経験的判断を加味する手法は統計的サンプリング法には該当しません。
【答え】
ア: サンプルの抽出に無作為抽出法を用い、サンプルの評価結果に基づいて母集団に関する結論を出す場合に、確率論の考え方を用いる。
出典:平成25年度 春期 システム監査技術者試験 午前II 問8