平成27年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問9
【問題9】
個人情報取扱事業者に対する監査において,個人情報の第三者提供の観点から指摘事項に該当するものはどれか。
社員が意識不明に陥り,家族とも連絡がつかないときに,救急隊員に社員本人の個人情報を,本人の同意を得ずに渡した。
税務署の要請によって,従業員の給与振込先口座の情報を,本人の同意を得ずに提出した。
フランチャイズの本部から加盟店に,顧客の個人情報を,本人の同意を得ずに渡した。
法令で定められた共同利用に関する事項をWebサイトに明示した上で,プレゼントキャンペーンの応募者データを,本人の同意を得ずにグループ会社と共同利用した。
【解説】
ア: 社員が意識不明に陥り,家族とも連絡がつかないときに,救急隊員に社員本人の個人情報を,本人の同意を得ずに渡した。
誤り。緊急時の人命救助などの目的であれば,個人情報保護法の例外規定により,本人の同意なしに個人情報を提供できる場合があります。
イ: 税務署の要請によって,従業員の給与振込先口座の情報を,本人の同意を得ずに提出した。
誤り。法令に基づく行政機関からの要請であれば,個人情報保護法の例外として本人の同意なしに提供することが認められる場合があります。
ウ: フランチャイズの本部から加盟店に,顧客の個人情報を,本人の同意を得ずに渡した。
正しい。フランチャイズ本部と加盟店は別法人であり,個人情報を第三者提供する場合には,原則として本人の同意が必要です。適切な手続きを経ずに提供した場合,個人情報保護法に違反する可能性があります。
エ: 法令で定められた共同利用に関する事項をWebサイトに明示した上で,プレゼントキャンペーンの応募者データを,本人の同意を得ずにグループ会社と共同利用した。
誤り。共同利用に関する情報を適切に公表していれば,個人情報保護法に基づき,第三者提供には該当しません。
【答え】
ウ: フランチャイズの本部から加盟店に,顧客の個人情報を,本人の同意を得ずに渡した。
出典:平成27年度 春期 システム監査技術者試験 午前II 問9