平成27年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問17
【問題17】
関係データベースのビューを利用する目的はどれか。
DISTINCT指定,GROUP BY句及びHAVING句をもつ演算処理を独立させて,プログラムに単純化したデータ更新手段を提供する。
行や列を特定の条件で絞り込んだビューだけをアクセスさせることによって,基となる表のデータの一部を隠蔽して保護する手段を提供する。
データベースの物理的記憶構造の変更に影響されないように,アプリケーションプログラムに対して物理的データ独立性を提供する。
複数の表を結合したビューにインデックスを付与することによって,複数の表にまたがった高度な検索手段を提供する。
【解説】
ア: DISTINCT指定,GROUP BY句及びHAVING句をもつ演算処理を独立させて,プログラムに単純化したデータ更新手段を提供する。
誤り。ビューは通常、更新よりもデータの参照やフィルタリングに利用されます。特に集約関数を含むビューでは、更新ができない場合が多いです。
イ: 行や列を特定の条件で絞り込んだビューだけをアクセスさせることによって,基となる表のデータの一部を隠蔽して保護する手段を提供する。
正しい。ビューは、ユーザーごとに異なるデータを見せるために利用されることがあり、アクセス制御の手段としても活用されます。
ウ: データベースの物理的記憶構造の変更に影響されないように,アプリケーションプログラムに対して物理的データ独立性を提供する。
誤り。これはビューではなく、スキーマの抽象化レイヤーが担う役割です。
エ: 複数の表を結合したビューにインデックスを付与することによって,複数の表にまたがった高度な検索手段を提供する。
誤り。ビュー自体にはインデックスを持たせることはできません。パフォーマンス向上にはマテリアライズドビュー(物理的に保存されるビュー)を活用する必要があります。
【答え】
イ: 行や列を特定の条件で絞り込んだビューだけをアクセスさせることによって,基となる表のデータの一部を隠蔽して保護する手段を提供する。
出典:平成27年度 春期 システム監査技術者試験 午前II 問17