平成28年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問3
【問題3】
財務報告に係る内部統制監査におけるリスクアプローチの説明のうち,適切なものはどれか。
監査の効率性を念頭におき,固有リスクだけを評価する。
財務諸表の重要な虚偽表示リスクの有無にかかわらず,任意に抽出した業務プロセスに対してリスクを評価する。
財務報告に係る全ての業務に対して,ボトムアップで網羅的にリスクを洗い出して評価する。
想定されるリスクのうち,財務諸表の重要な虚偽表示リスクが高い項目に監査のリソースを重点的に配分する。
【解説】
ア: 監査の効率性を念頭におき,固有リスクだけを評価する。
誤り。リスクアプローチでは,固有リスク(Inherent Risk)だけでなく,統制リスク(Control Risk)や発見リスク(Detection Risk)も考慮して監査を行います。
イ: 財務諸表の重要な虚偽表示リスクの有無にかかわらず,任意に抽出した業務プロセスに対してリスクを評価する。
誤り。リスクアプローチでは,虚偽表示リスクが高い領域を特定し,重点的に監査を行うため,ランダムに業務プロセスを抽出するのは適切ではありません。
ウ: 財務報告に係る全ての業務に対して,ボトムアップで網羅的にリスクを洗い出して評価する。
誤り。リスクアプローチは効率的な監査を目的としているため,すべての業務をボトムアップで評価するのは非効率です。
エ: 想定されるリスクのうち,財務諸表の重要な虚偽表示リスクが高い項目に監査のリソースを重点的に配分する。
正しい。リスクアプローチ(Risk-Based Approach)とは,財務諸表の重要な虚偽表示リスクが高い領域を特定し,監査のリソースを重点的に配分する手法です。これにより,監査の効率と効果を向上させることができます。
【答え】
エ: 想定されるリスクのうち,財務諸表の重要な虚偽表示リスクが高い項目に監査のリソースを重点的に配分する。
出典:平成28年度 春期 システム監査技術者試験 午前II 問3