平成28年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問8
【問題8】
システム監査で利用する統計的サンプリング法に関する記述のうち,適切なものはどれか。
サンプルの抽出に無作為抽出法を用い,サンプルの評価結果に基づいて母集団に関する結論を出す場合に,確率論の考え方を用いる。
抽出するサンプル数は,統計的サンプリングと非統計的サンプリングの選択を決定付ける重要な判断基準である。
抽出するサンプルを統計的に決定するのではなく,サンプルに対して評価手続きを実施した結果を統計的に推定する。
無作為抽出法を用いるだけではなく,システム監査人が経験的判断を加味して,サンプルを抽出する。
【解説】
ア: サンプルの抽出に無作為抽出法を用い,サンプルの評価結果に基づいて母集団に関する結論を出す場合に,確率論の考え方を用いる。
正しい。統計的サンプリング法では、無作為抽出を用いて代表的なサンプルを選び、確率論を用いて母集団の特性を推定することが基本となります。
イ: 抽出するサンプル数は,統計的サンプリングと非統計的サンプリングの選択を決定付ける重要な判断基準である。
誤り。統計的サンプリングと非統計的サンプリングの選択は、監査の目的やリスク評価に基づくものであり、単純にサンプル数だけで決まるものではありません。
ウ: 抽出するサンプルを統計的に決定するのではなく,サンプルに対して評価手続きを実施した結果を統計的に推定する。
誤り。統計的サンプリングでは、事前に確率的手法でサンプルを決定し、その結果から母集団の特性を推定するため、この記述は誤解を招く表現です。
エ: 無作為抽出法を用いるだけではなく,システム監査人が経験的判断を加味して,サンプルを抽出する。
誤り。統計的サンプリングでは、監査人の主観を排除し、確率論に基づいてサンプルを抽出することが重要です。経験的判断を加えると統計的サンプリングとは言えません。
【答え】
ア: サンプルの抽出に無作為抽出法を用い,サンプルの評価結果に基づいて母集団に関する結論を出す場合に,確率論の考え方を用いる。
出典:平成28年度 春期 システム監査技術者試験 午前II 問8