平成29年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問1
【問題1】
システム監査における,サンプリング(試査)に関する用語の説明のうち,適切なものはどれか。
許容誤謬率とは,監査人が受け入れることができる所定の内部統制からの逸脱率であり,サンプルの件数を決めるときに用いられる。
サンプリングリスクとは,固有リスクと統制リスクを掛け合わせた結果である。
統計的サンプリングとは,特定の種類の例外取引を全て抽出する方法である。
母集団とは,評価対象から結論を導き出すのに必要なデータ全体のうち,リスクが高いデータの集合である。
【解説】
ア: 許容誤謬率とは,監査人が受け入れることができる所定の内部統制からの逸脱率であり,サンプルの件数を決めるときに用いられる。
正しい。許容誤謬率(tolerable error rate)は、監査で許容できる誤りの割合を示し、サンプル数の設定に利用されます。
イ: サンプリングリスクとは,固有リスクと統制リスクを掛け合わせた結果である。
誤り。これはリスクモデルの説明であり、サンプリングリスクは「サンプルからの推測が母集団と異なる可能性」を意味します。
ウ: 統計的サンプリングとは,特定の種類の例外取引を全て抽出する方法である。
誤り。統計的サンプリングは、ランダムに抽出されたサンプルから母集団を推測する方法であり、例外取引の網羅とは無関係です。
エ: 母集団とは,評価対象から結論を導き出すのに必要なデータ全体のうち,リスクが高いデータの集合である。
誤り。母集団は評価対象の全データを指し、リスクにかかわらず包含されます。
【答え】
ア: 許容誤謬率とは,監査人が受け入れることができる所定の内部統制からの逸脱率であり,サンプルの件数を決めるときに用いられる。
出典:平成29年度 春期 システム監査技術者試験 午前II 問1