平成29年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問22
【問題22】
システム及びソフトウェア品質モデルの規格である JIS X 25010:2013 で定義されたシステム及び/又はソフトウェア製品の品質特性に関する説明のうち,適切なものはどれか。
機能適合性とは,明示された状況下で使用するとき,明示的ニーズ及び暗黙のニーズを満足させる機能を,製品又はシステムが提供する度合いのことである。
信頼性とは,明記された状態(条件)で使用する資源の量に関係する性能の度合いのことである。
性能効率性とは,明示された利用状況において,有効性,効率性及び満足性をもって明示された目標を達成するために,明示された利用者が製品又はシステムを利用することができる度合いのことである。
保守性とは,明示された時間帯で,明示された条件下に,システム,製品又は構成要素が明示された機能を実行する度合いのことである。
【解説】
ア: 機能適合性とは,明示された状況下で使用するとき,明示的ニーズ及び暗黙のニーズを満足させる機能を,製品又はシステムが提供する度合いのことである。
正しい。JIS X 25010:2013 では「機能適合性(Functional Suitability)」として定義されており,システムやソフトウェアが要求された機能をどの程度満たしているかを評価する品質特性です。
イ: 信頼性とは,明記された状態(条件)で使用する資源の量に関係する性能の度合いのことである。
誤り。これは「性能効率性(Performance Efficiency)」に関連する内容であり,信頼性(Reliability)の定義とは異なります。信頼性はシステムやソフトウェアが障害なく継続して稼働できる度合いを指します。
ウ: 性能効率性とは,明示された利用状況において,有効性,効率性及び満足性をもって明示された目標を達成するために,明示された利用者が製品又はシステムを利用することができる度合いのことである。
誤り。性能効率性(Performance Efficiency)は,リソースの使用量や応答時間など,システムのパフォーマンスに関する特性を指します。この説明はユーザビリティ(Usability)に近いものです。
エ: 保守性とは,明示された時間帯で,明示された条件下に,システム,製品又は構成要素が明示された機能を実行する度合いのことである。
誤り。保守性(Maintainability)は,システムの修正や更新のしやすさに関する特性であり,ここでの説明は可用性(Availability)に関する内容に近いです。
【答え】
ア: 機能適合性とは,明示された状況下で使用するとき,明示的ニーズ及び暗黙のニーズを満足させる機能を,製品又はシステムが提供する度合いのことである。
出典:平成29年度 春期 システム監査技術者試験 午前II 問22