平成30年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問4
【問題4】
内部監査として実施したシステム監査で,問題点を検出後,改善勧告を行うまでの間に監査人が考慮すべき事項として,適切なものはどれか。
改善事項を被監査部門へ事前に通知することによって,不備が是正され,もともと不備が存在しなかったように見える可能性を避けるため,被監査部門に秘匿する。
監査人からの一方的な改善策の提案は実行不可能なものとなるおそれがあるので,改善勧告の前に,改善策について被監査部門との間で協議する場をもつ。
経営判断に関与することを避けるため,不備を改善する際の経済合理性などの判断は行わず,経営者に対する改善勧告とする。
将来のフォローアップに際して,客観的で中立的な判断を阻害する要因となるので,改善勧告の優先度付けを行うことを避ける。
【解説】
ア: 改善事項を被監査部門へ事前に通知することによって,不備が是正され,もともと不備が存在しなかったように見える可能性を避けるため,被監査部門に秘匿する。
誤り。不備が是正されること自体が望ましいため、意図的に秘匿するのは不適切です。
イ: 監査人からの一方的な改善策の提案は実行不可能なものとなるおそれがあるので,改善勧告の前に,改善策について被監査部門との間で協議する場をもつ。
正しい。実効性のある改善を実現するためには、現場の状況を踏まえた協議が重要です。
ウ: 経営判断に関与することを避けるため,不備を改善する際の経済合理性などの判断は行わず,経営者に対する改善勧告とする。
誤り。監査人も改善の実現性や経済合理性を考慮した上で助言すべきです。
エ: 将来のフォローアップに際して,客観的で中立的な判断を阻害する要因となるので,改善勧告の優先度付けを行うことを避ける。
誤り。改善の優先度を明示することで、効果的な対応が促されます。
【答え】
イ: 監査人からの一方的な改善策の提案は実行不可能なものとなるおそれがあるので,改善勧告の前に,改善策について被監査部門との間で協議する場をもつ。
出典:平成30年度 春期 システム監査技術者試験 午前II 問4