平成30年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問25
【問題25】
ジェームス L. ヘスケットらが提唱したサービスプロフィットチェーンの説明はどれか。
企業のビジョンと戦略を実現するために,財務,顧客,内部プロセス及び学習と成長の視点から達成指標やアクションプランを具体化するためのモデル
顧客ごとの購買履歴を蓄積することで顧客の収益貢献度を測定し,これに基づいて,収益貢献度が高い顧客に対するサービス水準を向上するためのモデル
市場の魅力度と市場内での自社の地位を基に,企業の製品やサービスを分類し,どの分野に経営資源を投下し,利益を回収すべきかを検討するためのモデル
従業員満足度がサービス水準を高め,それが顧客満足度と企業利益を高め,高めた利益で従業員満足度が更に向上するという因果関係を表したモデル
【解説】
ア: 企業のビジョンと戦略を実現するために,財務,顧客,内部プロセス及び学習と成長の視点から達成指標やアクションプランを具体化するためのモデル
誤り。これは バランス・スコアカード(BSC) の説明です。
イ: 顧客ごとの購買履歴を蓄積することで顧客の収益貢献度を測定し,これに基づいて,収益貢献度が高い顧客に対するサービス水準を向上するためのモデル
誤り。これは CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント) の考え方です。
ウ: 市場の魅力度と市場内での自社の地位を基に,企業の製品やサービスを分類し,どの分野に経営資源を投下し,利益を回収すべきかを検討するためのモデル
誤り。これは PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント) の説明です。
エ: 従業員満足度がサービス水準を高め,それが顧客満足度と企業利益を高め,高めた利益で従業員満足度が更に向上するという因果関係を表したモデル
正しい。これは サービスプロフィットチェーン の説明です。従業員満足度→サービス品質→顧客満足度→企業利益→従業員満足度という好循環を示します。
【答え】
エ: 従業員満足度がサービス水準を高め,それが顧客満足度と企業利益を高め,高めた利益で従業員満足度が更に向上するという因果関係を表したモデル
出典:平成30年度 春期 システム監査技術者試験 午前II 問25