平成31年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問15
【問題15】
製造物責任法(PL 法)によれば,製造業者の責任に関する記述のうち,適切なものはどれか。
顧客の財産に関する損害については,製造業者は製造物を顧客に引き渡した時から永久に損害賠償責任を負う。
製造物の欠陥原因が,完成品メーカーの設計に従って,部品メーカーが製造して納品した部品であっても,部品メーカーには損害賠償責任が常に生じる。
製造物を顧客に引き渡した時における科学又は技術に関する知見によっては,欠陥があることを認識できなかったことを証明できれば,その製造業者の損害賠償責任は問われない。
製造物を輸入して販売している販売業者は,製造業者ではないので,その製造物によって顧客が財産上の損害を被っても,損害賠償責任は問われない。
【解説】
ア: 顧客の財産に関する損害については,製造業者は製造物を顧客に引き渡した時から永久に損害賠償責任を負う。
誤り。PL法には時効があり、永久に責任を負うわけではありません(3年または10年)。
イ: 製造物の欠陥原因が,完成品メーカーの設計に従って,部品メーカーが製造して納品した部品であっても,部品メーカーには損害賠償責任が常に生じる。
誤り。欠陥の原因が部品にある場合に限り責任が発生し、常にではありません。
ウ: 製造物を顧客に引き渡した時における科学又は技術に関する知見によっては,欠陥があることを認識できなかったことを証明できれば,その製造業者の損害賠償責任は問われない。
正しい。「科学技術水準抗弁」により、当時の技術水準で欠陥を認識できなかったと証明できれば免責されます。
エ: 製造物を輸入して販売している販売業者は,製造業者ではないので,その製造物によって顧客が財産上の損害を被っても,損害賠償責任は問われない。
誤り。輸入業者も製造業者とみなされ、PL法の適用対象となります。
【答え】
ウ: 製造物を顧客に引き渡した時における科学又は技術に関する知見によっては,欠陥があることを認識できなかったことを証明できれば,その製造業者の損害賠償責任は問われない。
出典:平成31年度 春期 システム監査技術者試験 午前II 問15