平成31年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問20
【問題20】
JIS Q 27000:2014(情報セキュリティマネジメントシステム用語)における情報セキュリティリスクに関する記述のうち,適切なものはどれか。
脅威とは,一つ以上の要因によって悪用される可能性がある,資産又は管理策の弱点のことである。
脆弱性とは,システム又は組織に損害を与える可能性がある,望ましくないインシデントの潜在的な原因のことである。
リスク対応とは,リスクの大きさが,受容可能又は許容可能かを決定するために,リスク分析の結果をリスク基準と比較するプロセスのことである。
リスク特定とは,リスクを発見,認識及び記述するプロセスのことであり,リスク源,事象,それらの原因及び起こり得る結果の特定が含まれる。
【解説】
ア: 脅威とは,一つ以上の要因によって悪用される可能性がある,資産又は管理策の弱点のことである。
誤り。「資産又は管理策の弱点」は「脆弱性」の定義です。「脅威」は損害を与える可能性のある事象を指します。
イ: 脆弱性とは,システム又は組織に損害を与える可能性がある,望ましくないインシデントの潜在的な原因のことである。
誤り。これは「脅威」の説明に近く、脆弱性はセキュリティ上の弱点を指します。
ウ: リスク対応とは,リスクの大きさが,受容可能又は許容可能かを決定するために,リスク分析の結果をリスク基準と比較するプロセスのことである。
誤り。これは「リスク評価」の説明に該当します。「リスク対応」は、リスクを低減・回避・移転・受容するための対策のことです。
エ: リスク特定とは,リスクを発見,認識及び記述するプロセスのことであり,リスク源,事象,それらの原因及び起こり得る結果の特定が含まれる。
正しい。リスク特定は、リスクマネジメントの最初のステップで、JIS Q 27000における定義と一致します。
【答え】
エ: リスク特定とは,リスクを発見,認識及び記述するプロセスのことであり,リスク源,事象,それらの原因及び起こり得る結果の特定が含まれる。
出典:平成31年度 春期 システム監査技術者試験 午前II 問20