令和2年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問1
【問題1】
システム監査で用いる統計的サンプリングに関する記述のうち,適切なものはどれか。
開発プロセスにおけるコントロールを評価する際には,開発規模及び影響度が大きい案件を選定することによって,開発案件全てに対する評価を導き出すことができる。
コントロールが有効であると判断するために必要なサンプル件数を事前に決めることができる。
正しいサンプリング手順を踏むことによって,母集団全体に対して検証を行う場合と同じ結果を常に導き出すことができる。
母集団からエラー対応が行われたデータを選定することによって,母集団全体に対してコントロールが適切に行われていることを確認できる。
【解説】
ア: 開発プロセスにおけるコントロールを評価する際には,開発規模及び影響度が大きい案件を選定することによって,開発案件全てに対する評価を導き出すことができる。
誤り。これは統計的サンプリングではなく、リスクベース監査のアプローチです。
イ: コントロールが有効であると判断するために必要なサンプル件数を事前に決めることができる。
正しい。統計的サンプリングでは、信頼度や許容誤差などに基づいて、必要なサンプルサイズをあらかじめ決定することが可能です。
ウ: 正しいサンプリング手順を踏むことによって,母集団全体に対して検証を行う場合と同じ結果を常に導き出すことができる。
誤り。サンプリング結果には一定のばらつきがあり、「常に同じ結果」とは限りません。
エ: 母集団からエラー対応が行われたデータを選定することによって,母集団全体に対してコントロールが適切に行われていることを確認できる。
誤り。これは偏ったサンプルとなるため、統計的な検証とは言えません。
【答え】
イ: コントロールが有効であると判断するために必要なサンプル件数を事前に決めることができる。
出典:令和2年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問1