令和2年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問15
【問題15】
技術者倫理における集団思考の問題点として、アーヴィング・ジャニスが指摘した八つの兆候のうち、“心の警備”の説明として、適切なものはどれか。
集団に新しく加わったメンバなどが異議を唱える場合には、それを阻止して、集団を保護しようとする。
自分の所属している集団は失敗することがなく、又は万が一失敗しても集団は存続すると考える。
他のメンバから特に意見が出されず、発言者以外の全メンバが沈黙している場合は、その意見を集団組織の一致した意見とみなす。
反対する少数メンバがいる場合は、そのメンバに圧力を加えて統一した意見にさせる。
【解説】
ア: 集団に新しく加わったメンバなどが異議を唱える場合には、それを阻止して、集団を保護しようとする。
正しい。「心の警備(Mindguards)」とは、外部からの異論や批判を遮断し、集団の一体感を維持する役割を果たす人や行動のことを指します。これにより、反対意見が封じられ、集団思考が強化されてしまいます。
イ: 自分の所属している集団は失敗することがなく、又は万が一失敗しても集団は存続すると考える。
誤り。これは「集団の万能感(Illusion of invulnerability)」に該当します。
ウ: 他のメンバから特に意見が出されず、発言者以外の全メンバが沈黙している場合は、その意見を集団組織の一致した意見とみなす。
誤り。これは「沈黙の同意(Self-censorship or Illusion of unanimity)」に関する現象です。
エ: 反対する少数メンバがいる場合は、そのメンバに圧力を加えて統一した意見にさせる。
誤り。これは「同調圧力(Direct pressure on dissenters)」に関する行動です。
【答え】
ア: 集団に新しく加わったメンバなどが異議を唱える場合には、それを阻止して、集団を保護しようとする。
出典:令和2年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問15