平成30年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問2
【問題2】
システム監査で用いる統計的サンプリングに関する記述のうち,適切なものはどれか。
開発プロセスにおけるコントロールを評価する際には,開発規模及び影響度が大きい案件を選定することによって,開発案件全てに対する評価を導き出すことができる。
コントロールが有効であると判断するために必要なサンプル件数を事前に決めることができる。
正しいサンプリング手順を踏むことによって,母集団全体に対して検証を行う場合と同じ結果を常に導き出すことができる。
母集団からエラー対応が行われたデータを選定することによって,母集団全体に対してコントロールが適切に行われていることを確認できる。
【解説】
ア: 開発プロセスにおけるコントロールを評価する際には,開発規模及び影響度が大きい案件を選定することによって,開発案件全てに対する評価を導き出すことができる。
誤り。これは統計的サンプリングの原則に反しており、偏りのあるデータでは全体の代表とはなりません。
イ: コントロールが有効であると判断するために必要なサンプル件数を事前に決めることができる。
正しい。統計的サンプリングでは、信頼度や許容誤差に基づいて必要サンプル数をあらかじめ決定することが一般的です。
ウ: 正しいサンプリング手順を踏むことによって,母集団全体に対して検証を行う場合と同じ結果を常に導き出すことができる。
誤り。統計的サンプリングは確率論に基づくため、結果にばらつきが生じる可能性があります。
エ: 母集団からエラー対応が行われたデータを選定することによって,母集団全体に対してコントロールが適切に行われていることを確認できる。
誤り。エラーがあったデータだけでは偏りが生じ、全体の正確な評価はできません。
【答え】
イ: コントロールが有効であると判断するために必要なサンプル件数を事前に決めることができる。
出典:平成30年度 春期 システム監査技術者試験 午前II 問2