平成25年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問12
【問題12】
データ管理者(DA)とデータベース管理者(DBA)を別々に任命した場合の DA の役割として,適切なものはどれか。
業務データ量の増加傾向を把握し,ディスク装置の増設などを計画して実施する。
システム開発の設計工程では,主に論理データベース設計を行い,データ項目を管理して標準化する。
システム開発のテスト工程では,主にパフォーマンスチューニングを担当する。
システム障害が発生した場合には,データの復旧や整合性のチェックなどを行う。
【解説】
データ管理者(DA)とデータベース管理者(DBA)は,データベースの管理を専門的に扱う職種ですが,それぞれの役割が異なります。
データ管理者(DA: Data Administrator)
業務の実世界から概念設計を行い,システム化の範囲で論理設計などデータそのものの管理を担当します。
主な役割:
- データの標準化
- データの論理設計
- データ管理ルールの策定
- データの一貫性と整合性の確保
データベース管理者(DBA: DataBase Administrator)
DA が設計した論理データモデルから物理設計を行い,データベースを構築し,構築後の運用管理や保守を担当します。
主な役割:
- 物理データベースの設計・管理
- データベースの最適化(パフォーマンスチューニング)
- バックアップやリカバリ
- システム障害時の対応
ア: 業務データ量の増加傾向を把握し,ディスク装置の増設などを計画して実施する。
誤り。これは DBA の役割であり,DA の職務ではありません。
イ: システム開発の設計工程では,主に論理データベース設計を行い,データ項目を管理して標準化する。
正しい。DA の主要な役割には,論理データベース設計やデータ標準化の管理が含まれます。
ウ: システム開発のテスト工程では,主にパフォーマンスチューニングを担当する。
誤り。パフォーマンスチューニングは DBA の役割であり,DA は担当しません。
エ: システム障害が発生した場合には,データの復旧や整合性のチェックなどを行う。
誤り。システム障害時のデータ復旧やチェックは,DBA の役割です。
【答え】
イ: システム開発の設計工程では,主に論理データベース設計を行い,データ項目を管理して標準化する。
出典:平成25年度 春期 システム監査技術者試験 午前II 問12