平成23年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問3
【問題3】
外部委託に関するシステム監査において、経営破綻などによってソフトウェア資産のメンテナンスが受けられなくなることを防ぐために確認すべき契約項目はどれか。
外部委託先のサービスを評価するための SLA 条項
責任の所在を明確にするためのソフトウェア開発の再委託禁止条項
ソフトウェアのソースコードなどを第三者へ預託するエスクロー条項
【解説】
ア: 開発したソフトウェアの瑕疵担保責任条項
誤り。瑕疵担保責任(現行では契約不適合責任)は、納品されたソフトウェアに問題があった場合の責任を明確にするためのものであり、開発元の経営破綻に伴うメンテナンス継続には直接関係ありません。
イ: 外部委託先のサービスを評価するための SLA 条項
誤り。SLA(Service Level Agreement)は、提供されるサービスの品質や対応時間などの基準を定めるものであり、委託先の経営破綻に備える目的ではありません。
ウ: 責任の所在を明確にするためのソフトウェア開発の再委託禁止条項
誤り。再委託禁止条項は、開発業務の外部再委託を防ぐためのものであり、委託先の経営破綻時の対応とは直接関係がありません。
エ: ソフトウェアのソースコードなどを第三者へ預託するエスクロー条項
正しい。エスクロー契約とは、ソフトウェアのソースコードや関連資料を信頼できる第三者に預けておき、開発元が倒産や契約不履行となった際にユーザーがアクセスできるようにする仕組みです。これにより、外部委託先が経営破綻した場合でも、メンテナンスの継続が可能になります。
【答え】
エ: ソフトウェアのソースコードなどを第三者へ預託するエスクロー条項
出典:平成23年度 春期 システム監査技術者試験 午前II 問3