平成23年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問11
【問題11】
情報セキュリティのリスク対策のうち,リスクの保有に該当するものはどれか。
インターネットからの不正アクセスによる被害の影響範囲から,Web サーバの LAN 上の配置は現状の DMZ のままとする。
水害を避けるために安全な高台にコンピュータセンタを移設する。
大規模な災害によるシステムの長時間停止に備えて,保険に加入する。
ノート PC の紛失に備えて,指紋認証の機能と PC 内に保存するデータの暗号化機能を取り入れる。
【解説】
ア: インターネットからの不正アクセスによる被害の影響範囲から,Web サーバの LAN 上の配置は現状の DMZ のままとする。
正しい。リスクの「保有(受容)」とは、特に対策を講じずにリスクをそのまま受け入れることを指します。現状のまま運用するという選択は、リスクを許容する(保有する)対応に該当します。
イ: 水害を避けるために安全な高台にコンピュータセンタを移設する。
誤り。これはリスクの「回避」に該当します。リスクの影響を受ける可能性がある場所から移動することで、リスクの発生自体を避ける方法です。
ウ: 大規模な災害によるシステムの長時間停止に備えて,保険に加入する。
誤り。これはリスクの「転嫁」に該当します。リスク転嫁とは、保険などを利用して、損害の負担を第三者(保険会社など)に移す方法です。
エ: ノート PC の紛失に備えて,指紋認証の機能と PC 内に保存するデータの暗号化機能を取り入れる。
誤り。これはリスクの「低減」に該当します。リスクの発生を完全に防ぐことはできませんが、影響を軽減するための対策を講じています。
【答え】
ア: インターネットからの不正アクセスによる被害の影響範囲から,Web サーバの LAN 上の配置は現状の DMZ のままとする。
出典:平成23年度 春期 システム監査技術者試験 午前II 問11