平成22年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問13
【問題13】
金融庁の“財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準”における,内部統制の基本的要素である“統制活動”はどれか。
経営者の命令及び指示が適切に実行されることを確保するために定める方針及び手続である。
組織の気風を決定し,組織内のすべての者の統制に対する意識に影響を与えるものである。
組織目標の達成を阻害する要因をリスクとして識別,分析及び評価し,適切な対応を行うプロセスである。
必要な情報が識別,把握及び処理され,組織内外及び関係者相互に正しく伝えられることを確保することである。
【解説】
ア: 経営者の命令及び指示が適切に実行されることを確保するために定める方針及び手続である。
正しい。統制活動(Control Activities)とは,組織の方針や手続きを確立し,経営者の指示が適切に実行されるようにするための仕組みを指します。これには職務分掌,承認手続,アクセス管理などの仕組みが含まれます。
イ: 組織の気風を決定し,組織内のすべての者の統制に対する意識に影響を与えるものである。
誤り。これは「統制環境(Control Environment)」に該当し,組織の文化や倫理観,ガバナンス体制を含む概念です。
ウ: 組織目標の達成を阻害する要因をリスクとして識別,分析及び評価し,適切な対応を行うプロセスである。
誤り。これは「リスク評価(Risk Assessment)」に該当し,リスクを特定し,その管理手法を決定するプロセスを指します。
エ: 必要な情報が識別,把握及び処理され,組織内外及び関係者相互に正しく伝えられることを確保することである。
誤り。これは「情報と伝達(Information and Communication)」に該当し,適切な情報共有と伝達が行われることを目的としています。
【答え】
ア: 経営者の命令及び指示が適切に実行されることを確保するために定める方針及び手続である。
出典:平成22年度 春期 システム監査技術者試験 午前II 問13