平成21年度 秋期 システム監査技術者試験 午前II 問13
【問題13】
販売管理システム開発を受注した A 社が,不足する開発要員(プログラマ)を B 社からの派遣によって補うことにした。派遣先である A 社の行為のうち,労働者派遣法に照らして適切なものはどれか。
システム開発期間が長期になるので,B 社から派遣されるプログラマの派遣期間を 3 年とする契約を結ぶ。
派遣期間中は作業負荷がかかることが予想されるので,B 社に対し 20 代男性の派遣を依頼する。
派遣されるプログラマ候補者の業務経歴書を提出させ,書類選考によって面接の対象となる候補者を絞り込む。
労務管理実務に詳しい担当者がいないので,責任者を置かず派遣社員からの苦情処理を B 社に依頼する。
【解説】
ア: システム開発期間が長期になるので,B 社から派遣されるプログラマの派遣期間を 3 年とする契約を結ぶ。
正しい。労働者派遣法では、派遣期間の上限が原則3年とされています(同一の組織単位で同じ業務に派遣される場合)。そのため、3年以内の契約であれば適法です。ただし、3年を超えて派遣社員を継続して受け入れる場合は、直接雇用の申し入れを行う必要があります。
イ: 派遣期間中は作業負荷がかかることが予想されるので,B 社に対し 20 代男性の派遣を依頼する。
誤り。労働者派遣法および雇用対策法により、年齢や性別を指定した募集・採用は差別にあたるため、適切ではありません。
ウ: 派遣されるプログラマ候補者の業務経歴書を提出させ,書類選考によって面接の対象となる候補者を絞り込む。
誤り。派遣先企業が派遣労働者を個別に選考すること(いわゆる「事前面接」や「書類選考」)は労働者派遣法で禁止されています。
エ: 労務管理実務に詳しい担当者がいないので,責任者を置かず派遣社員からの苦情処理を B 社に依頼する。
誤り。派遣先には、派遣労働者の苦情処理を行う責任者を設置する義務があります。責任者を置かない対応は適切ではありません。
【答え】
ア: システム開発期間が長期になるので,B 社から派遣されるプログラマの派遣期間を 3 年とする契約を結ぶ。
出典:平成21年度 春期 システム監査技術者試験 午前II 問13